奇想の系譜







奇想の系譜  又兵衛—国芳    辻惟雄 著





カウンターカルチャーの紹介本としては超一級でしょう。
コアな絵師を取り上げています。何度読んでもサイコーです。
40年前に出た本ですが日本美術の研究が30年は進んだと言われてます。



内容は

憂世と浮世 岩佐又兵衛
桃山の巨木の痙攣 狩野山雪
幻想の博物誌 伊藤若冲
気狂い部落の仙人たち 曽我蕭白
鳥獣悪戯 長沢芦雪
幕末怪猫変化 歌川国芳




なんといっても謎の絵師岩佐又兵衛を取り上げたのはこの本が初でしょう
とりあえず挿絵のセレクトがあつい。
《山中常磐》絵巻の盗賊征伐や《山中常磐》牛若盗賊おびきよせ
この絵を見ておしっこが少しでましたもん



まあこの本も読んだが早いんですが.....

かざりであるという奇想という概念の曖昧さに引き込まれます。
奇想とはもちろん様式概念なのでしょうけど、
6人の絵師達を奇想で括るのには曖昧な感じがします。

あとがきに、
「奇想の系譜」という題名は、これらの画家に共通する性格を的確に浮き彫りにするような恰好の言葉をあれこれ探しあぐねた結果、止むを得ずこうつけたにすぎないのだが、考えてみると、〈奇想〉という言葉は、エキセントリックの度合いの多少にかかわらず、因襲の殻を打ち破る、自由で斬新な発想のすべてを包括できるわけであり、この意味での〈奇想の系譜〉を室町時代以後の絵画史の中にたどるならば、雪村の水墨画の奇態なデフォルマションが、先触れとしての意味を持つし、「本朝画史」に怪怪奇奇と評された永徳の「檜図屏風」のような巨樹表現がこれにつづき、宗達の「養源院杉戸絵」や「風神雷神図」、光琳の「紅梅白梅図」などもこの仲間であり、さらに、白隠、大雅、玉堂、米山人、写楽........と近代絵画の動向に大きな影響を与えた錚々たるメンバーが名を連ねることになり、こうなると、傍系とか底流とかいった形容はあてはまらず、むしろ、近代絵画史における主流といってさしつかえないほどである。そしてまた、これら〈主流〉を背後から動かし、推し進めている大きな力が、民衆の美的食欲にほかならないことも指摘されてよいだろう。
と、書いてます。

「奇想」のばっちりハマった感は探したあげく止むをえずつけたって(笑)
事後てきなものだったんですね辻先生。



岩佐又兵衛と曽我蕭白が異常に好きな僕は何度読んでも興奮してます。
若冲も好きだけど、狩野派も好きだけど、
又兵衛と蕭白が大好きって人にまずは読んでもらいたいですね。