「古事記」成立の背景と構想


 
 
「古事記」成立の背景と構想   遠山一郎 著
 
 

愛知県立大学名誉顧問の遠山一郎先生の著書
古事記の成立の過程・背景・構想を考え実証していくこの本
内容は
 
第一章 「古事記」の背景
第一節 母語の営み
第二節 歌が開くことば
第三節 血すじによる系譜
第四節 天武の述べかた
第五節 さまざまな営み

第二章 「古事記」の構想
第一節 高天原による説きかた
第二節 大国主の神話
第三節 地上界のおさめかた
第四節 神からひとへ
第五節 第一代天皇の造形
第六節 神武から崇神・垂仁へ
第七節 神と応神と
第八節 雄略の描きかた
第九節 仁賢たち
 

そのなかで、気になったところは
「古事記」にはいくつかの世界が見いだされる。初めに現れてくるのは「高天の原」である。ほかに「黄泉つ国」「根の堅州国」「葦原の中つ国」そして海の神の国について古事記は記している。これらは各々の世界として成りたっているように見える。これらの各々にたいがいに異なる神々がいて、これらのそれぞれがまとまりを備えているように記されているからである。が、「古事記」が説こうとしている、これらの各々の世界のありかたではないであろう。というのは、これらが天皇たちのおさめている領域にどのように関わっているかを「古事記」が記しているからである。というところ。

天皇のおさめている領域に関わる世界のなかで中心をなしているのが、「高天の原」と「葦原の中つ国」である。その中心の作りかたは「高天の原」の神々が「葦原の中つ国」の神々を従え、この「高天の原」の神々の子孫たちが天皇になった、と示されている。
  
国ゆずり神話群の構成や天皇神話の形成と万葉集との関わりも見物です。
 
 
 
古事記編纂千三百年の御年、あらためて、古事記や、
現代語訳なされた古事記や本書を読んでみるとよいでしょう。